豊楽園で育てている主な品種
梨

幸水
収穫時期:8月下旬~9月上旬 梨狩りの対象品種
「菊水」×「早生幸蔵」
豊楽園の主力品種のひとつで、シーズンのトップバッターでもあります。
生産量日本一の代表的な品種。酸味がなく、シャキッと甘みが強くて人気です。梨と言えば幸水!という方も多いのでは。
日持ちはあまりしませんので、お早めにお召し上がりください。
心腐れ症という実の芯の部分が黒ずんでしまう症状がよく発生し、外見からは判別できないのが難点。食べる分には問題ありませんが、程度が大きく、気になる方はご相談ください。
産地にもよりますが、温暖化によって将来的に生産が難しくなると思われます。今のうちにたくさん食べておきましょう!

豊水
収穫時期:9月上旬~下旬 梨狩りの対象品種
「幸水」×「イ-33(石井早生× 二十世紀)」
豊楽園の主力品種のひとつです。
生産量は幸水に次いで2番目の代表的な品種。樹上で完熟した豊水は、ほどよい酸味とそれに負けない甘み、そしてジューシーさがあり濃厚な味わいで極上です。
果皮はザラザラし、粉を吹きます。形が歪になりやすいです。栽培管理上は、枝の先端が枝垂れる、あるいは枝が暴れるので、冬の剪定時に苦労します。
温暖化により、みつ症という果肉が軟化する症状の発生率が高まっています。幸水同様、将来的に減っていく品種かもしれません。

新高
収穫時期:9月下旬~10月中旬 梨狩りの対象品種
「天の川」×「長十郎」
豊楽園の主力品種のひとつです。
遅い時期に採れる大玉品種の代表格。生産量は国内で3番目です。大きなものでは1キロを超えるものもあり、ギフトとしても喜ばれます。
歴史は古く、100年近く前から生産され続けているロングセラー。砂感のある梨らしい固めの食感、芳香、ストレートな甘みが根強い人気です。
温暖化の影響を特に受けやすいのか、日焼け、煮え果、尻割れなどで樹上で腐敗し、ほとんど売り物にならない産地も多いようです。将来的に、どころかここ数年で市場から姿を消す可能性があります。
幸い豊楽園ではそこまで酷くはないものの、やはりここ数年で廃棄量は増加しています。新高に代わる新品種の導入を計画しています。販売できるようになるのは10年後くらいかもしれませんが…ご期待ください。

あきづき
収穫時期:9月下旬
(「新高」×「豊水」)×「幸水」
幸水、豊水、新高の血を引き継ぐサラブレッド。シャリ感のある爽やかで好ましい食感が特徴。この3品種の特徴を融合したような味、香りが感じられます。そして何より中秋の名月を彷彿とさせる真ん丸な形と色が人気の秘訣でしょう。栽培面積はかの有名な二十世紀梨を抜き、4位に躍り出ました。新世代の代表品種です。
果肉にコルク状の斑点が生じることがあります。適宜切り取ってお召し上がりください。
直販のみ。

南水
収穫時期:9月下旬
「越後」×「新水」
非常に甘く、うまみも感じる品種。果肉は粗め。日持ちがとても良いです。初めて食べた時、あまりの美味しさに驚きました。栽培はやや難しいようですが、今後増やしていきたい品種です。
お隣、長野県の南信地方で開発された品種です。南水の「南」は南信の「南」です。
少量生産。直販のみ。

ラ・フランス
収穫時期:10月中旬
フランス生まれ。
有名な洋梨のラ・フランス。追熟が必要です。追熟後のトロリとした食感と歯ざわりが独特の存在感を作り出しています。
主にジュースやジャムの加工用に数本栽培しています。
ぶどう

藤稔(ふじみのり)
収穫時期:8月下旬
「井川682」×「ピオーネ」
大粒の種無しぶどう。ピオーネの子供で、ぶどうらしい王道の味わい。
糖度は極めて高く、毎年楽しみにしてくださっている常連さんも多くいらっしゃいます。
皮は食べられないが、皮離れがよく食べやすい。日持ちします。
生産量は100房程度と少量です。豊楽園のシーズンのトップバッターを彩ってくれる品種。
直販のみ。

ナイアガラ
収穫時期:8月末~9月下旬 ぶどう狩りの対象品種
「コンコード」×「キャサディ」
豊楽園の主力品種。中サイズの白ぶどうです。白ワインの原材料としてよく用いられます。
もちろん生食でも美味しく、芳醇で華やかな香りが特長で、シーズンになると直販所がこの甘い香りで満たされて最高ですよ。
完熟してアメ色に近くなると「ゴールデンナイア」とよばれ、甘さが更に増します。
昔ながらの種ありで、皮は食べられませんが皮離れは良いです。指で実を押し出し、種を出さず飲み込むように食べるのがおすすめ。あっという間に1房ペロリといけちゃいます。
近年の猛暑と豪雨により、実割れが多くなってきました。栽培方法の工夫に取り組んでいます。

レッドナイアガラ
収穫時期:8月末~9月下旬 ぶどう狩りの対象品種
「ナイアガラ」の枝変わり
豊楽園の主力品種。中サイズの紫ぶどうです。赤ワインの原材料としてよく用いられます。
ナイアガラの枝変わり突然変異で、紫色になり、それが別品種となりました。
おおむねナイアガラと似た味、香りですが、紫ぶどうならではの渋みとコクがあります。
豊楽園では、レッドナイアガラを100%ぶどうジュースに加工しています。濃く甘い最高級の味が人気です。
近年の猛暑と豪雨により、実割れが多くなってきました。栽培方法の工夫に取り組んでいます。

バイカラーのナイアガラ(仮称)
収穫時期:8月末~9月下旬
「レッドナイアガラ」の枝変わり
ナイアガラの突然変異でレッドナイアガラが出来たという話でしたが、なんとそのレッドナイアガラがまた突然変異を起こし、房の一部分だけ黄色に戻ったものが出現しました!
豊楽園オリジナルです。品種登録はしないと思いますが、面白いので接ぎ木をして増やしていきたいと思っています。

マスカット・ベーリーA
収穫時期:9月上旬
「ベーリー」×「マスカット・ハンブルグ」
ワイン造りによく使われる品種です。豊楽園ではジュース用に少量栽培しています。
りんご

ふじ
収穫時期:11月上旬~下旬 りんご狩りの対象品種
「国光」×「デリシャス」
りんごの王様。りんごと言えばふじ。
豊楽園でも主力品種で、りんご畑の大部分がふじです。
甘さ、酸味、香り、食感のバランスが良く、生はもちろん加工にも向いており、これ以上の品種は今後出てこないでしょう。色づきがやや悪いのが難点。
豊楽園のふじは小玉で、また無袋栽培のため見た目も決して良いとは言えませんが、濃い甘さとパリッと硬い食感が昔から評判です。ぜひ、りんご狩りで味わってみてください。

さんさ
収穫時期:8月中旬~下旬
「ガラ」×「あかね(紅玉 × ウースター・ペアメイン)」
早生品種。豊楽園のシーズンのトップバッターです。
やや酸味があり、果肉はサクッと食べやすく、夏にぴったりのさわやかな美味しさ。冷蔵庫で冷やすとなおグッドです。日持ちは短め。早めにお召し上がりください。
肌が非常にデリケートなので、袋掛けをして栽培しています。除袋のタイミング次第で、桃のような鮮やかなピンクと黄色の模様になります。
枝は柔らかく、垂れやすい。
直販のみ。2025年から新たにジュース加工も始めました。

つがる
収穫時期:9月上旬
「ゴールデンデリシャス」×「紅玉」
早生品種の代表格。日本国内では、ふじに次いで2番目の生産量です。酸味は少なく、万人受けする優しい味わいです。
近年の温暖化により、着色不良が目立つようになりました。栽培上は、収穫前落果が激しく、収穫量が減ってしまう難点があります。
少量生産。直販のみ。

紅玉
収穫時期:9月下旬
アメリカ生まれ。元々の英語名は「ジョナサン」
非常に酸っぱく硬いりんご。その酸味や皮の濃い赤色が加工に適しており、クッキングアップルとして近年人気が再上昇しています。
昔ながらの酸っぱいりんごが好きな人は、生のままで食べます。
地味ながら堂々たる存在感と価値を出し続けている、いぶし銀のりんごです。
少量生産。直販のみ。今後増やしていきたい品種の一つ。

シナノスイート
収穫時期:10月上旬
「ふじ」×「つがる」
名前の通り、酸味がなく非常に甘いりんごです。そしてジューシー。お隣の長野県では「りんご三兄弟」の一つとして力を入れている品種でもあります。
近年の温暖化により、全国的に着色不良が目立つようになりました。色が赤くならないので、味は一緒でも規格外品になってしまうのです。長野県を挙げての主力品種なだけに、今後が心配です。
樹が弱っており、近く伐採予定。直販のみ。

陽光
収穫時期:10月上旬
「ゴールデンデリシャス」の自然交雑実生
昔ながらの品種。果肉は固めでシャキッとした食感。酸味と甘みのバランスが良い。
果皮にサビが発生しやすく、見た目が少々悪いですが、鮮やかな赤色が目を引きます。
少量生産。直販のみ。

ジョナゴールド
収穫時期:10月上旬
「ゴールデンデリシャス」×「紅玉」
昔ながらの品種。甘酸っぱくて美味しい。
近年の温暖化により、着色不良が目立つようになりました。
紅玉は元々英語名が「ジョナサン」で、ジョナサンとゴールデンデリシャスの子供なのでジョナゴールドと命名されたようです。ちなみに「つがる」も同じ両親なので、いわば兄弟ですね。
少量生産。直販のみ。

王林
収穫時期:10月下旬 11月頭のみりんご狩りもできますが少量です。
「ゴールデンデリシャス」×「印度」
青りんごの代表格。青りんごと言えば王林。昔から多く栽培され続けているロングセラーです。最近はタレントの王林ちゃんのおかげで人気が再上昇しています。
香りがとてもよく、酸味はありません。日持ちがせず、すぐに果肉がボケてしまう(柔らかくなってしまう)という短所があります。王林と言えば柔らかいイメージがありますが、これが原因です。ぜひ一度、採れたての王林をご賞味ください。カリッとしていてとても美味しいです。イメージが変わると思います。
栽培上は、病気に弱く収量が減ったり、枝が直立して管理しにくかったりします。今後、育てやすく日持ちする他の黄色りんごへの代替を検討しています。
直販のみ。

アンビシャス
収穫時期:11月下旬
「東光(ゴールデンデリシャス × 印度)」の自然交雑実生
めったに見かけない珍しい品種。
小玉サイズで、黄色と赤色のまだら模様。近年、この見た目が逆にかわいいと再評価されています。
味は極めて良いです。他のりんごにはない「うまみ」が感じられます。小さいけど、とにかくうまい。それがアンビシャス。
少量生産。直販のみです。人気なのですが、少量しか栽培していないので申し訳なく思ってます。
今後増やしていきたい品種の一つ。
※その年の気象条件により、旬が前後します。ブログやinstagramで最新情報をご確認ください。
育成中の品種
ぶどう
「BKシードレス」「ハニーシードレス」「ヌーベルローズ」
りんご
「紅の夢」「きみと」「錦秋」「ほおずり」「星の金貨」「シナノゴールド」
「ふじ」着色系枝変わりである「未来ふじ」「フェニックスふじ」「宮美ふじ」「うまじろう」
販売まで数年かかります。お楽しみに!
系統図 奥深き品種の世界
2025年秋ver. 代表が馴染みのある品種を中心にまとめました。


