冬の作業はぶどうの剪定から

このところ、ぐっと冷えてきました。日陰では凍える寒さが長靴の底からじわじわ感じられ、作業が終わる夕方には身体の芯まで冷えるので、帰宅後にはお風呂に直行です。

冬はひたすら剪定作業をします。まずはぶどうの剪定から。古くなった枝を間引いて空間を作り、若い枝に更新。新梢の先端を切り返し、春の元気な新梢の伸長を促します。

ぶどうは春に伸びた新梢に実が生るのですが、りんごや梨は前年以前の枝に実が生ります。そういう性質も剪定では考慮しないといけません。

また、枝の配置も難しい。骨格となる太い枝(主枝や亜主枝と呼ぶ)と、実をつける枝(側枝や結果枝と呼ぶ)との役割分担を明確にし、“仕立て”ていく必要があります。果樹というのは自然物のようでいて、実は相当な人工物なんですね。

元気な枝や充実した花芽(ここに実がなる)があるからと、同じ結果枝を何年も使い続けていると太くなってしまい、骨格枝より強くなってしまうこともあります。しかし、果実の味や将来の収量にも影響するため、なるべくそういう状況にはしたくないものです。

ああでもないこうでもない、あっ切りすぎた!…と頭を使って作業に没頭するのは楽しいもので、あっという間に一日が終わります。秋のくだもの狩りの時期の接客、収穫、選果…と慌ただしくしていた頃もあっという間でしたが、剪定はあの時期よりもあっという間に感じられるのが不思議です。この調子ではもう来週には春が来ちゃいそうです。

ただ、ずっと上を向いて作業をするものですから、首と肩が痛い。寒い冬のことですから余計に凝ります。時々下を向いて枝を集めて、焚き火でもすることにしましょうか。